117 クリルオイルは、南極オキアミから 抽出されたオイルで、オメガ3脂肪酸 (EPAとDHA)、リン脂質、そしてアス タキサンチンを豊富に含むことが特徴 です。クリルオイルは鮮やかな赤色を しており、これはアスタキサンチンとい うカロテノイド系色素によるものです。 アスタキサンチンは強力な抗酸化 作用を持ち、ビタミンCの6,000倍とも 言われています。この抗酸化作用によ り、クリルオイルは魚油よりも酸化しにく く、保存料なしでサプリメント化が可能 になります。特に、オメガ3脂肪酸はリ ン脂質と結合した「リン脂質結合型」 であるため、魚油のトリグリセリド型オ メガ3脂肪酸と比較して、体内への吸 収率が高いとされています。 この高い吸収率は、水との親和性 が高いことによるもので、細胞間への スムーズな行き渡りを可能にします。オ メガ3脂肪酸は体内で生成できない 必須脂肪酸であり、食生活では不足 しがちな栄養素であります。 リン脂質自体は、細胞膜を構成す る主要成分であり、体内の脂肪とタン パク質を結びつける役割も担っていま す。重要な点として、クリルオイルは魚 油と比較して、同等のEPA摂取量で、 DHA摂取量は半分程度でも、血漿中 EPA濃度がより高く、DHA濃度も同 等になるという研究結果があります。 これは、リン脂質結合型であることに よる吸収率の高さによるものと考えら れます。 健康効果としては、血流改善、血 管柔軟性強化、脂質改善、脳の活性 化、などが期待されており、さらに、関 節炎、腎臓病、皮膚、眼、心血管の健 康維持、抗炎症作用、そしてダイエット への効果も期待されています。脳機 能改善においては、魚油と比較して、 より大きな改善効果が認められたとい う研究結果もあります。アスタキサンチ ンは、老化や疲労の原因となる活性 酸素の除去にも貢献すると考えられ ています。コリンという成分も含まれて おり、これは脳や肝臓の発達・代謝に 重要な栄養素で、神経伝達物質であ るアセチルコリンの生成を促進する可 能性があります。 欧米では、DHAやEPAの補給源と して、スーパーフードとして広く利用さ れています。 医学博士 井上 明 先生 麻布大学卒業 牧場・公務員・専門学校講師などを経験 麻布大学附属動物病院 腫瘍科専科研修医主 任を経験し、 全国の動物病院にて腫瘍科担当として勤務し腫 瘍診療や治療を行っている 日本獣医がん学会Ⅰ種認定医 帝京大学医学研究科医学専攻博士課程修了・ 博士(医学) あいはら犬猫病院 https://www.aihara-ah.jp/ 夕やけの丘動物病院 https://yuyake.co.jp/main/ 全国的に活躍している、犬と猫の腫瘍外科医が 推薦する活力の源、クリルオイル 獣 医 版 フ ロ ー チャ ー ト マッ サ ー ジ & 漢方 薬 飼い 主さ ん も で き る ペッ ト の ツ ボ 新 興医 学出 版 社 獣医 版 フロ ーチ ャー ト ペッ ト漢 方薬 実 は有 効 ! 明 日か ら使 える ! 新 興 医学 出 版社 犬 の内 科診 療 Part 2 緑 書房
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