飛雁閣ではずっとベートーヴェンのピアノソナタ集を、天井に埋めたJBLスピーカーで流しています。バックハウス・ケンプ・ゼルキン(敬称略)等の演奏でした。今年はダニエルバレンボイム氏です。

アルゼンチン生まれのイスラエル人である彼は宗教対立に心を傷め、アラブ出身者を加えたオーケストラ(ウェスト・イースタンディヴァン管弦楽団)を率いてエルサレムやシカゴで平和を祈り、タクトを振っています。前大統領の娘婿殿もコダヤ人でいらっしゃいます。彼等は大使館をエルサレムからテルアビブに移転するなど、イスラエル本位の外交戦略でアラブ分断を企てていましたが、彼のマエストロは宗教対立の解消を理想とし、我が身の安全を度外視して、世界で演奏会を開いています。

彼はピアニストとしても有名で、過去にベートーヴェンソナタ集を4回収録していました。そして、世界中がCOVID-19に脅える中、2021年に3ヶ月を費やして第5集を発表したのです。指揮者は大抵ピアノを弾きますが、私はV.アシュケナージの「展覧会の絵」が好きで表裏でピアノ演奏とオーケストラ演奏を録音したLPもLaserDiscも持っています。しかし、ベートーヴェンとなると矢張りアシュケナージとは行きません。2021年に80才を迎えたバレンボイムは、新しい境地で、恐らく人生最後と決めて3ヶ月間をこの全集録音に集中しました。

やっと入手出来たので飛雁閣のお客様にご披露します。

親しみやすい曲が入っている6枚のCDを選びましたので、20分に一度ぐらいはご存知のメロディーが流れると思います。

晩年のホロヴィッツより、はるかに元気で力強い演奏。先達との違いは国際的知性と言えるかも知れません。情熱のほとばしりというよりも広い心の優しさを感じることが出来るかも知れません。

昨年はIMAGINE発表50周年だったのでジョンレノンを掛けていました。
友人が手弁当で進めているIMAGINEPROJECTはオノヨーコさんや彼女の弟様も参加され、そろそろ実現の見込みです。色々な大企業や有名人もご参加のようです。

ところでBGMという曲をご存知ですか?
「ファイト」や「糸」など名曲を残している中島みゆきさんの「BGM」という曲は、「寒水魚」というアルバムに入っています。アコースティックバージョンのこのCDには「BGM」の他に「歌姫」も入っています。